ハナマキ

学名:Callistemon citrinus  

ハナマキ(花槇)[別名:カリステモン] フトモモ科ブラシノキ属

オーストラリア原産で、観賞用に植栽される常緑低木。

樹高は1-3m。ときに5mに達する。樹皮は硬く、繊維状又は硬い紙状。小枝はほぼ無毛~ビロード状の毛が重なる絹毛状軟毛。葉は互生し、ほぼ無柄。葉身は長さが25-100mm、幅4-25mmの披針形~狭卵形。葉の両面に明瞭に見える7-26の分岐脈と、葉の両面に多数の明瞭な油腺がある。花は赤く、開花後に成長し続ける枝の端に穂状に付く。穂状花序は、径45-70mm、長さ60-100mm、大きい花序で80個の花がある。花弁は長さが4-6mmだが、早落性。各花にはブラシ状に見える30-45個の雄蕊があり、花糸はは赤色で、葯は黃色。
花期は4-11月。
果実は木質化した4.5-7mmのカップ形蒴果で、円筒状に隙間なく並び、裂開せずに枝に数年残る。乾燥地が原産地のため、 極端な乾燥や山火事のときに実が割れて中の細かい種子が風によって散布される。

※ 名は、イヌマキ(犬槇)に似た葉形で、花が目立つことから。
 別名のキンポウジュは、雄蕊の葯から黄色い花粉がでている状態からと推定されるが明確ではない。
 カリステモンは属名のため、この種固有の名ではない。カリステモン(ブラシノキ)属は、30種以上ある。
 園芸品種が多くあり、花穂が桃赤色の‘モーブ・ミスト’、ピンクの‘パース・ピンク’、紫赤色の‘リラキヌス’、冬以外は順次開花する‘スプレンデンス’などがある。
 [近縁種]
  シダレハナマキ  :Callistemon viminallis 枝が垂れ下がってその先端に花が付く。
  ブラシノキ    :Callistemon speciosus 5月に開花する。比較的寒さに強く庭植えに向く。
  シロバナブラシノキ:Callistemon salignus 開花期が春から秋と長く、花穂は基本は白色から緑を帯びた白色。
            赤色のほか、桃色、薄紫色を帯びたものもある。
  マキバブラシノキ :Callistemon rigidus 葉がマキ(槇)の葉に似ている。


主写真撮影日:2014-09-21   撮影地:神奈川県相模原市南区 麻溝公園 (植栽)
撮影者:MOMO