トックリヤシ

学名:Hyophorbe lagenicaulis  

トックリヤシ(徳利椰子) ヤシ科トックリヤシ属

マダガスカル東方のマスカリン諸島原産で、幹の下部がとっくり状に膨らむ形態から鑑賞用に植物園などに植栽される常緑高木。また成長がゆっくりなことから、屋内向き鉢植え観葉植物としても流通している。

成木では樹高は15-18m、幹径40-60cmになる。とっくり状の幹茎を観賞するのは幼樹の期間で、とっくり状は1.5mの高さまでで、成樹して開花すると径25cmほどの円柱となり、波状に傾斜して伸長する例が多い。幹肌は平滑で、浅い葉痕の環紋がある。葉は光沢のある緑色の羽状葉で5-6枚あり、長さ1.3-1.8m、幅0.6-0.9m。小葉は中軸に対し40-60枚がV字状に対生し、羽片は両縁が上方に湾曲した全裂披針形で、裂片は長さ30-40cm、幅3-5cm、鱗片とやや重なる。葉柄は長さ30cm、太くて丸い軸で淡黄色。花は80cmほどの長さの花茎に付き、白色~黄白色。
花期は3-6月。
果実は液果で黒色に熟す。長さ4cmほどの楕円形。

※ 名は、幹の下部がとっくり状に膨らむことから。
 学名のシノニムには、Mascarena lagenicaulisがある。
 耐寒温度は5℃。10℃以上が望ましい。
 [近縁種]
  トックリヤシモドキ:Hyophorbe vaughanii
            マスカリン諸島原産。
            トックリヤシと葉はよく似る。幹の基部は太くはなるが、きれいなとっくり状にならない。 


主写真撮影日:2017-10-26   撮影地:神奈川県小田原市 小田原フラワーガーデン温室
撮影者:MOMO