学名:Cyathea lepifera
ヒカゲヘゴ(日陰桫欏、日陰杪欏)[別名:モリヘゴ] ヘゴ科ヘゴ属奄美大島以南の島・沖縄県の、谷間や林中の斜面、湿った日照の良い林縁や草地に生育する常緑木性シダ。
丈は5-10m、最大で15m程。茎には、落葉した葉の付け根の痕が残り、楕円形の小判のような模様を作る。幹は細い根が多数絡み合ったもので、空気中から水分を吸収する。茎の先端に長さ3mほどの葉を放射状に付ける。葉身は2回羽状複葉で倒卵状長楕円形、長さ2-4m。羽片は大きいもので長さ約80cmになり、小羽片は長さ10-15cm、幅1.5-2.3cm、尾状に伸び、裏面の軸上に白っぽい鱗片と開出毛が密に生える。葉柄は長さ20cm、基部は膨らみ径5-7cmで、密に鱗片を付け、幹との間に離層を作る。新芽は幹の頂部より伸び、葉柄部から葉がゼンマイのような形状となった後に開いて成熟する。胞子嚢群は小羽片の中肋よりに両側に2列付き、小球形で包膜はない。
※ 名は、葉が広く広がり日陰をつくるヘゴの意だが、ヘゴの由来は不詳。
新芽と高く成長した幹の芯は食べることができる。
冬越しは5℃、できれば7-8℃の環境が望ましい。乾燥を嫌い、土だけでなく茎も乾かしてしまうと枯れる恐れがある。
[近縁種]
ヘゴ :Cyathea spinulosa
八丈島・小笠原諸島・沖縄や九州南部・四国・紀伊半島以南に生育する。
平均高さ4mほどの木性シダだが、四国・紀伊半島ではベニシダ程度の大きさで、木生に成長した個体は見られていない。
葉柄は太く、刺があり白淡褐色の鱗片を密に付ける。
マルハチ :Cyathea mertensiana
小笠原諸島原産のヘゴで、鉢物としても流通する。
葉が脱落した跡が、丸に逆さの「八」の字を書いたような模様なのが名前の由来。
葉柄は緑色で、ヘゴのような刺はない。
主写真撮影日:2017-10-18 撮影地:神奈川県相模原市南区 相模原公園温室
撮影者:MOMO