ビカクシダ

学名:Platycerium bifurcatum  

ビカクシダ(麋角羊歯)[別名:コウモリラン、プラチケリウム] ウラボシ科ビカクシダ属

インドネシア・太平洋諸島・オーストラリアの原産で、樹幹に着生するシダ植物。観葉植物として観賞用に流通している。

根茎はごく短く、葉を密生する。この葉に2つの形があり、普通は2形をほぼ交互に一定数だけ出す。一つは株元に張りつくように出た「外套葉」(貯水葉、巣葉ともいう)長さ12-45cm、もう一つは、シカの角のような形で、先端に胞子嚢群を付ける「胞子葉」(普通葉ともいう)長さ90cmほどになる。外套葉は落葉を集める役割があり、それによって肥料分をその内側に確保する役目、胞子葉は光合成と胞子生産を行う役目となる。外套葉は枯れても脱落せず保水の働きをし、基部に関節があり、古くなるとそこで折れて脱落する。

※ 名の「麋」はヘラジカのことで、胞子葉の形がヘラジカの角に似るのことから。またコウモリランは、外套葉の形をコウモリに見立てたもの。
 冬季は、5℃以上の環境が望ましい。
 [近縁種]
  プラティセリウム・ビフルカツム・ウィリンキー:Platycerium bifurcatum ssp. willinckii 和名:ナガバビカクシダ
                  胞子葉が長く垂れ下がる。
  プラティセリウム・スペルブム :Platycerium superbum
                  オーストラリア原産。大型の種類で、胞子葉に胞子嚢群が1か所つく。
  プラティセリウム・アンゴレンセ:Platycerium angolense
                  熱帯アフリカ原産。大型にはならず、外套葉は切れ込まず、胞子葉は短い。


主写真撮影日:2017-10-18   撮影地:神奈川県相模原市南区 相模原公園温室
撮影者:MOMO