チランジア・シアネア

学名:Tillandsia cyanea   

チランジア・シアネア(Tillandsia cyanea)[別名:チランジア・キアネア、タチハナアナナス] パイナップル科サルオガセモドキ属

南アメリカのエクアドル原産で、湿った多雨林で高木の上の方に着生する常緑多年草。

丈は10-30cm。茎はごく短く、葉を根出状に出す。葉は20-30枚出る。長さ35cm以下で幅は10-15mm、線形から細い三角形で先端は細く尖り、小さな鱗片があり、基部には紫褐色の縦筋が出る。葉鞘は楕円形で長さ6cm。葉は弓状に反り返り、濃灰緑色。花茎は葉の間から出て、直立またはあやや斜めに伸びる。茎の部分は葉の間に隠れ、花茎の方は深く瓦のように重なり合い、下部のものは葉状、上部のものは長楕円形で先端が尖る。その先に穂状花序を1つだけ着ける。花序は40以上の花を羽状につけたもので、長楕円形で先端は丸くなっているか広く尖り、長さは16cmまで、幅は約7cm。花を包む苞は楕円形で先端が尖り、竜骨状で革質、淡紅色から赤に淡緑色の鱗片がある。萼片は互いに離れ、楕円形で先端はやや尖り、長さ35mm。花弁は3個で羽のような青~青紫色、菱形に近い円形で長さ20-25mm、大きく開く。雄蘂は花の内部に隠れ、雌蘂は突き出す。花は1-3日で終わるが1-3ヶ月間次々と咲く。苞は1カ月以上美しさを保つ。
花期は周年。

※ 株は一度開花すると枯れるが、株脇に子株ができる。子株は3年ほどで開花する。
 半日陰または明るい室内で育てる。耐寒温度は5℃程度。

 和名をハナアナナスとしている資料も多いがYListでのハナアナナスは、同属のTillandsia lindenii の和名としている。チランジア・リンデニー(Tillandsia lindenii)の花は、チランジア・シアネアに良く似るが、全体に大形で花茎が細くて長い。
 属名のサルオガセモドキ属は維管束植物分類表に因ったが、ハナアナナス属としている資料も多い。サルオガセモドキの学名はTillandsia usneoidesで、外見が地衣類のサルオガセに似るが、チランジア・シアネアと同属で顕花植物。


主写真撮影日:2017-10-26   撮影地:神奈川県小田原市 小田原フラワーガーデン温室
撮影者:MOMO