バンジロウ

学名:Psidium guajava  

バンジロウ(蕃石榴)[別名:グアバ、バンザクロ] フトモモ科バンジロウ属

熱帯アメリカ原産で、屋内果樹として栽培される常緑低木。沖縄県では露地栽培され民家の庭木にもされる。

樹高は3-9m。樹皮が剥けるため赤く平滑な幹が目立つ。分枝が多く葉は対生し、長さ7-15cm、幅3-7cm、草質で卵形または長楕円形で、先端はやや丸みがあり、潰すと強い芳香がある。花は葉腋に付き、径約3cmで白色、多くは単生する。長さが1-2.5cmの毛の多い花柄がある。他家受精率が高い。
花期は4-5月。
果実は球形、倒卵球形または洋ナシ形で長さ5-10cm、径5-7cmで宿存萼がある。熟果は表面は滑らかで黄ないし黄白色を呈し芳香がある。果肉は淡黄ないし黄白色または淡紅紫色で甘味があり、パルプ状の心部には多数の小さな硬い種子がある。

※ 名は、漢名「蕃石榴」の読み方「バンシルー」が沖縄でバンジロウに転訛したもの。また蕃石榴については、蕃は「外国の]の意で、果実の形が萼の残存するザクロに似ていることから。
 完熟した果実は柔らかくて傷みやすいため、流通している食用の果実は、固い内に収穫して後に熟させたもの。生食の他、ジャムやジュースにも利用できる。また、葉にはタンニンを多く含み、お茶として利用される。
 [近縁種]
  テリハバンジロウ:Psidium littorale 別名:ストロベリーグアバ
           ブラジル~ウルグアイ原産。
           果実は3-4cmほどで熟すと赤くなり、イチゴのような香りがある。
  キミノバンジロウ:Psidium littorale var. lucidum 別名:イエローストロベリーグアバ
           テリハバンジロウの果実が黄色になる変種。
           比較的寒さに強く、果実の風味も良い。 


主写真撮影日:2017-10-26   撮影地:神奈川県小田原市 小田原フラワーガーデン温室(果実)
撮影者:MOMO