学名：Sibbaldiopsis miyabei
メアカンキンバイ(雌阿寒金梅) バラ科メアカンキンバイ属北海道の硫黄山・羅臼岳・斜里岳・雌阿寒岳・大雪山系・羊蹄山に分布し、高山の日照のよい斜面や砂礫地に生育する小低木。
丈は3-10cm。根茎から地中性の匍匐枝を出して広がる。茎は長さ3-10cmになり、分枝して斜上するかまたは這い、古い葉の葉柄に包まれ、木質化する。全体に開出する黄褐色の伏した毛が生える。葉は互生し、3個の小葉からなる3出複葉になり、葉の長さは3-5cm。頂小葉と側小葉は同じ形で、同じ大きさか頂小葉の方がやや大きく、小葉は、長さ5-15mm、幅4-10mmで、広倒披針形から倒卵形になり、先端は切形で粗い3歯牙があり、基部は広いくさび形、やや革質で灰緑色になる。葉柄は長さ1.5-4cmになり、葉柄の基部にある托葉は、披針形で先端が鋭頭になり、縁は全縁、膜質になり、長さ12-15mmで、半分以上が葉柄と合着する。夏、茎先に集散花序をつけ、黄色の径12-15mmの花を1-5個つける。萼は5個、萼片は披針形で先は鋭くとがり、長さ5-7mmになり、外側と縁に剛毛が生える。副萼片も5個あり、線形で長さ3-5mmになる。花弁も5個あり、広倒卵形から倒卵状円形で、先端は円頭から凹頭、基部は爪状になり、長さ6-7mm、幅4-6mmになる。雄蕊は20個あり、葯は黄色で卵状球形となる。花床筒は短い卵状円錐形で剛毛が生える。心皮は多数あり、花柱は糸状で長く伸び3-4mmになる。
花期は7-8月。
果実は痩果で、多数、長さ約1.5mmになり、ややゆるんだ卵形になり褐色で、長い毛がある。
※ 名は、基準標本が1897年(明治30年)に雌阿寒岳で採集されたことによる。
属名は維管束植物分類表に従い、メアカンキンバイ属(Sibbaldiopsis)としたが、タテヤマキンバイ属(Sibbaldia)とする説もある。
環境省により、絶滅危惧II類 (VU)に指定されている。
主写真撮影日：2016-05-29 撮影地：長野県山ノ内町 竜王ロープウェイ山頂駅前 (植栽)
撮影者：MOMO