アミメヘイシソウ

学名:Sarracenia leucophylla   

アミメヘイシソウ(網目瓶子草)[別名:サラセニア・レウコフィラ、サラセニア・ドラモンディー] サラセニア科サラセニア属

北アメリカ(東部、ジョージアからアラバマ・フロリダ・ミシシッピ)に生育する食虫植物。日本では、観賞用に流通する多年草。

花茎の高さは50-100cm。葉は高さ100cm以上、筒状で上向きに次第に広まり、先端の口周は直径6-14cmに達する。筒状部の外周は無毛、下部は黄緑色で、先端に向かって葉脈が赤から紫に染まり、葉脈間の部分が白くなり、白と緑~紫の網目模様を作る。網目模様は蓋にも広がる。新葉に先だって花茎に暗赤色または海老茶色の花を咲かせる。花は特殊な形態で、一番外側の5枚が萼片、その内側で舌のように垂れ下がっているのが花弁で、花の中央部は傘のようなもので覆われる。その傘の部分が雌蕊。傘の内側中央(傘の柄の部分)に子房があり、それを囲むように雄蕊が並ぶ。傘の露先の部分にある小さい突起が柱頭で、ここに花粉が付くと受粉が起こる。
花期は5-6月。
果実は蒴果。
筒状になっている捕虫葉の先端には色鮮やかな「蓋」があり、この裏側からは甘い蜜と香りを出し、ハエなどの虫を誘き寄せる。筒の内側はハエの足では全く取り付けない造りになっていて、袋の底には液体中に落ちる。消化液は一部の種で確認されているものの、全体にはあまり分泌せず、分解の主力はそこに生息する細菌類によるとされる。

※ ヘイシソウの名は、葉が筒になっているのを酒器の瓶子(へいし)に見立てたもの。アミメは、捕虫葉上部と蓋に網目模様があることによる。
 別名のサラセニア・ドラモンディーは、旧種名。
 模様の入り方や色合いに個体差があり、それぞれ園芸品種名が付けられている。


主写真撮影日:2014-06-15   撮影地:神奈川県箱根町 箱根湿性花園 (植栽)
撮影者:MOMO