カヤラン

学名:Thrixspermum japonicum  

カヤラン(榧蘭) ラン科タイワンフウラン属

岩手県以南の本州・四国・九州の、常緑樹林内やスギ・ヒノキの植林地内の樹幹や枝、岩上に着生する多年草。

気根は茎の中部以下から出て細長く伸びる。茎は短くて細く、長さ3-7cm、分枝することがなく、古い葉鞘に包まれる。葉は開花個体では5-20個、左右2列に互生し、披針形で長さ2-4cm、幅4-6mm、鈍頭、基部は狭くなって鞘に関節する。花茎は細く、葉腋から出て、2-5花を付け、中央に小型の1鱗片葉がある。苞は広卵形で、開出し、長さ約3mm。花は淡黄色。花披片は開出するが、上半は内曲し、長さ7-8mm、狭長楕円形。側花弁は萼片より小さく、鈍頭。唇弁は浅く3裂し、側裂片は耳状に左右に突出し、中裂片は微小。蕊柱は1mm、腹面の突起した部分と唇弁の基部は関節する。葯は広卵形、2室。花粉塊は2個で、球形、ろう質。
花期は3-5月。
果実は円柱状の蒴果で、長さが5cm程になる。

※ 細長い葉が並んでいる様子がカヤに似るため。
 属名は、カヤラン属としている資料が多いが、維管束植物分類表に従いタイワンフウラン属とした。


主写真撮影日:2014-05-11   撮影地:東京都八王子市 日影沢
撮影者:MOMO