エゾニュウ

学名:Angelica ursina  

エゾニュウ(蝦夷にゅう) セリ科シシウド属

北海道・中部地方以北の本州の山地の草地に生育する大形の多年草。

丈は1-3m。茎の径は5-6cm、直立して上部で枝を分ける。鞘は卵形で、大きく膨れて赤色を帯びる。葉は2回3出羽状複葉で大形。小葉はさらに羽状に裂ける。葉裏の脈上に毛がある。葉柄も下部または全部が著しく膨れ、茎を抱く。上部の葉は退化して赤褐色の鞘となる。大形の複散形花序に無数の小さな花を付ける。花弁は5個。
花期は6-8月。
果実は2分果。

※ 名のニュウは、アイヌ語由来の言葉で、食用・薬用になるものにつけられた名称。
  主に茎の部分を山菜として利用する。非常にアクが強いため、いったん塩蔵してから塩抜きして食用とする。秋田県などでは「ニョウサク」「ミョウサク」などと呼ばれ、特に好まれる。
 [近縁種]
  アマニュウ   :葉の先端が尖らず丸みがある。節ごとにやや折れ曲がる傾向がある。花序の上面は平ら。
  エゾノヨロイグサ:花は半球状に付く。小葉が深く切れ込む。丈の割に細い茎になる。
  オオハナウド  :全体に毛がある。花序の一番外側の花弁が大きく2裂。葉は3裂する。
  エゾノシシウド :明確な小苞片がある。葉は1-2回羽状複葉で、厚く光沢がある。


主写真撮影日:2013-07-22   撮影地:長野県諏訪市 八島湿原
撮影者:MOMO