ヤタイヤシ

学名:Butia yatay  

ヤタイヤシ(ヤタイ椰子)[別名:ココスヤシ] ヤシ科ヤタイヤシ属

ウルグアイ・パラグアイ・アルゼンチン原産で、庭園樹・公園樹などに植栽される常緑高木。

樹高は20-30m、幹径30-70cm。幹は分枝せず、垂直に伸び、上部は葉柄とその刺で覆われる。葉は長さ1.5-2mの羽状複葉で、灰色を帯びた白っぽい青緑色で、茎頂に叢生する。小葉は50-60対で長さ約50cmの披針形で、細かい棘状の鋸歯があり、基部は山型に折れ目が入る。葉が枯れたあとも葉柄が長い間残り、下の方から徐々に脱落し、幹に鱗状の模様が残る。夏、大きな肉穂花序に薄黄色~臙脂色の花を咲かせる。花序は最初棍棒状の苞に包まれ、やがて縦に切れ目ができて花序が露出する。花序は長さ1mほどで、小さな花を多数咲かせる。花は赤紫色。
花期は7-8月。
果実は径2-3cmの楕円球形の液果で、9-10月頃、橙色~赤橙色に熟す。

※ 和名は学名から。
 近縁種にブラジルヤシ(Butia capitata)があり、よく似ていて、2種の交配種もある。日本では交配種が殆どで、同定は困難で、流通市場では両種を通称ココスヤシと呼んでいる。ヤタイヤシの方が、やや葉や果実が大きく、果実に赤味がある。
 熟した果実は生食できる。
 ヤシの仲間としては、耐寒性が非常に強く、成木なら-10℃位まで耐える。
 庭植え・公園樹・鉢植え観葉植物として、利用される。 


主写真撮影日:2017-09-10   撮影地:神奈川県藤沢市 江ノ島 コッキング苑 (植栽)
撮影者:MOMO