シクラメン

学名:Cyclamen persicum  

シクラメン(Cyclamen)[別名:カガリビバナ、ブタノマンジュウ] サクラソウ科シクラメン属

地中海沿岸、ギリシャからチュニジアにかけてに原種があり、代表種のパーシカム種がヨーロッパに入ってドイツ・オランダなどで品種改良され、多数の系統、品種が作出された。日本では年末から春にかけての鉢物として生産され、鉢花のなかでは生産量はトップとなっている。茎が肥大した茎球(球根)を持つ多年草。

花茎の丈は10-40cm。基部に扁球状の塊茎があり,長柄のある心臓形葉を根生する。葉面には銀白色の模様がある。秋より春へかけて、塊茎から群がり立つの花茎上に、下向きに花を付け、5裂し裂片が反転する花を単生する。
花期は10-3月。
果実は蒴果。(園芸栽培の場合、株が弱るので、タネを採る目的でなければ、花が終わると摘み取られる)

※ 名は、受粉後に花茎が螺旋状に変化する性質によりギリシア語のキクロス(kiklos:螺旋・円)から。
 別名の、カガリビバナとブタノマンジュウは、現在は殆ど使用されないが、カガリビバナは、花が炎が燃え立つように見えることから(牧野富太郎博士命名)、ブタノマンジュウは英名のSow bread(雌豚のパン)を日本語に訳したもの(植物学者の大久保三郎命名、放し飼いの豚がシクラメンの球根を食べることから)。
 園芸種は、株と花の大きさによって、大輪系、中輪系、小輪系(ミニシクラメン)にタイプ分けされ、さらに寒さに比較的強く庭植えにもできるガーデンシクラメンがある。黄色や紫の珍しい花色、花形では八重咲きや花弁にウェーブが入るロココ咲きなど、さらには香りをもつ品種まで、毎年次々と新品種が発表されている。


主写真撮影日:2017-04-29   撮影地:神奈川県秦野市 (植栽)
撮影者:MOMO