タイリントキソウ

学名:Pleione bulbocodioides  

タイリントキソウ(大輪朱鷺草)[別名:プレイオネ] ラン科タイリントキソウ属

中国大陸の標高600-3600m、台湾のは1500-2500mの森林内にある腐植質が積もった岩場や崖に生育し、古くより台湾から導入された多年草。

花茎の丈は10-150cm。茎の根元は、扁平な球状で径3-4cmの偽鱗茎を地表にあり、春に球の下方から周辺に2-3個の芽を出す。葉は1枚ずつ付き、長さ約10-15cm、葉脈が5本ある。夏を通じて茂り、秋には基部が肥大して翌年の親株となる。芽のあるものに花蕾があり、芽が伸びると同時に、径5-8cmのを開く。花は1つの芽に通常1輪、花弁は薄い赤紫色で、唇弁はふつう乳白色に薄茶色の斑紋がある。ときに白色花のものもある。中国南部から南西部の高地に生育するものは、唇弁も桃色を帯び、鮮やかな紅色の斑紋が入る。
花期は2-4月。
偽鱗茎(バルブ)からは、からはふつう2本の新芽が伸び、茎の頂点近くに珠芽(ムカゴ)が付く。また偽鱗茎は、毎年更新される。

※ 名は、在来種のトキソウに花色・花姿が似ていて、花形が大輪であることから。(トキソウとは異属)
 プレイオネは、属名。
 [近縁種]
  プレイオネ・フォレスティー:Pleione forrestii
     中国・雲南省に分布。
     標高2200-3200mの森林の開けた場所や林縁で、腐植質が積もった岩場や木の上に生える。
     葉は1枚、花は春に咲き、鮮やかな黄色で唇弁に赤紫の斑点が散る。白花を咲かせる変種もある。
  プレイオネ・アウリタ:Pleione aurita
     中国・雲南省西部に分布。標高1400-2800mの森林に生える。
     葉は1枚、花は春に咲き、濃い桃色で唇弁の縁はあまり切れ込まず、濃い黄色の毛がある。
  プレイオネ・チュニー:Pleione chunii
     中国南部に分布し、プレイオネ・アウリタと同じような環境に生える。
     プレイオネ・アウリタによく似ており、花色は全体に薄いピンクで唇弁は白い。
  プレイオネ・マクラータ:Pleione maculate
     ヒマラヤ東部から中国南西部に分布。
     標高600-1600mの広葉樹林内で、腐植質が積もった岩場や木の上に生える。
     葉は2枚、花は秋に咲き、白色で唇弁は中央部が黄色を帯び、鮮やかな紅色の筋が入る。
     冬に成長するため最低温度10℃を保つ。
  プレイオネ・リンプリヒティー:Pleione limprichtii
     中国・雲南省から四川省南西部、ビルマ北部に分布。
     標高2000-2500mのコケむした、あるいは腐食質が積もった崖や岩の上に生える。
     葉は1枚、花は春に咲き、ブルボコディオイデスに似た花が咲く。
     ブルボコディオイデスの変種とする見解もある。      


主写真撮影日:2017-04-29   撮影地:神奈川県秦野市 (植栽)
撮影者:MOMO