アラゲニクハリタケ

学名:Steccherinum rhois  

アラゲニクハリタケ(粗毛肉針茸) ニクハリタケ科ニクハリタケ属

広葉樹の枯木上に発生する白色不朽菌。

子実体は小型、背着生~側着生。日本産は有柄となることも多い。傘は幅1-3.5cm、奥行1-2cmの半円形~貝殻状。背面は淡黄橙色~黄橙色、剛毛状の白色短毛が密生し、明瞭な環紋がある。柄がある場合は長さ1-6mm、幅2-5mmの円柱形、中実、表面は傘と同じ。毛被の下に明瞭な厚さ200-300µmの濃褐色の下皮がある。肉は下皮の下部にあり、黄白色~黄橙色、フェルト状。子実層托は針状、明橙色、針は2-3個/mm、長さ1-2mm。胞子紋は白色。胞子は無色、長さ3-4µm、幅2-2.5µmの楕円形、平滑、非アミロイド。シスチジアは少なく、針の先だけに集中してつき、長さ30-40µm、幅5-7µmの棍棒形、長さ10-20µmが突出する。先端の結晶は少なく、結晶の付くものと付かないものがある。3菌糸型。原菌糸は薄壁、幅2.5-3µm、クランプがある。骨格菌糸は幅4-5µm。下皮の部分に厚壁、著しく枝分れする膠着状菌糸がある。

※ 名は、背面に剛毛状の白色短毛が密生し、腹面は肉色の針になることから。
 [近縁種]
  ニクハリタケ:アラゲニクハリタケによく似るが、下皮を持たない。


主写真撮影日:2017-08-13   撮影地:東京都葛飾区 水元公園
撮影者:MOMO