オニバス

学名:Euryale ferox  

オニバス(鬼蓮) スイレン科オニバス属

本州・四国・九州の、池沼に生育する大形の1年生水草。

春に水底の種が発芽し、矢尻型の葉が水中に現れる。茎は塊状で短く、葉は水底近くから水面へと次々に伸びていき、成長するにつれて形も細長い心臓型から円形へ変わる。円形の葉は、丸くシワだらけの折り畳まれた姿で水面に顔を出し広がる。円形葉の大きさは径30-200cm程度と巨大。植物全体に大きな刺が生えていて、特に葉の表裏に生える刺は硬く鋭い。葉の裏面は鮮やかな赤紫色で葉脈が桟状に隆起する。花は径4cmほどで昼間は開き夜は閉じる。花弁は鮮紫色で多数、萼片は4個で外側は緑色、内側は褐紫色。個体により、開花しないものもあるが、開花する個体も含め、閉鎖花を多く付ける。花が終わると花茎が伸びて横に倒れ、先端以外は水中に沈む
花期は8-10月。
果実は鋭い刺のある楕円形。種子は寒天質の仮種皮につつまれ、径約1cm。開放花はほとんど結実せず、種子生産の大半は閉鎖花による。

※ 名は、植物全体に刺があり、大形でもあることから、鬼のようなハス(蓮)の意。実際はハス科ではなくスイレン科。
 絶滅危惧種II類に指定されている。


主写真撮影日:2017-08-13   撮影地:東京都葛飾区 水元公園
撮影者:MOMO