ホオノキ

学名:Magnolia obovata  

ホオノキ(朴の木)[別名:ホオガシワ] モクレン科モクレン属

北海道・本州・四国・九州の、山地や丘陵に生育する落葉高木。

樹高は30mほどになる。樹皮は灰白色。平滑で皮目が多い。枝は太くて無毛。枝を一周する托葉痕が目立つ。葉は互生。枝先に集まって付く。葉身は長さ20-40cm、幅10-25cmの倒卵形~倒卵状長楕円形で、全縁。裏面は白色を帯び、軟毛が散生する。葉柄は長さ2-4cm。晩春~初夏、葉の展開後枝先に径約15cmの大きな花を開く。花は黄白色で芳香がある。花被片は9-12個。外側の3個は短い萼状。淡緑色で一部紅色を帯びる。内側の6-9個は花弁状。雄蕊と雌蕊は多数螺旋状に集まって付く。雄蕊は長さ2cmほど、花糸は赤色、葯は黄白色。花の寿命は短く、開花すると直ぐに雄蕊はパラパラ落ちる。
花期は5-6月。
果実は袋果が集まった集合果。長さ10-15cmの長楕円形で、9-11月に熟す。袋果は赤褐色で、中に長さ1cmほどの種子が2個入る。種子の外層は赤色。中層は肉質。長い糸状の珠柄でぶら下がる。

※ 名は、「ホホ」は「包む」の意で冬芽の様子を表しているという説、または、葉を食べ物を包むのに利用したことから「包(ほう)の木」から転訛したという説もある。
 葉は芳香があり、殺菌作用があるため食材を包んで、朴葉寿司、朴葉餅などに使われる。
 葉が大きいので古くから食器代わりに食物を盛るのに用いられた。
 材は堅いので下駄の歯(朴歯下駄)などの細工物に使う。また、水に強く手触りが良いため、和包丁の柄やまな板に利用されたり、ヤニが少なく加工しやすい為、日本刀の鞘にも用いられた。
 樹皮は厚朴または和厚朴といい、生薬にする。


主写真撮影日:2012-05-13   撮影地:東京都町田市 小山田緑地公園
撮影者:MOMO