サワシバ

学名:Carpinus cordata  

サワシバ(沢柴)[別名:サワシデ、ヒメサワシバ] カバノキ科クマシデ属

北海道・本州・四国・九州の、山地の沢沿いなど湿気の多い場所に多く生育する落葉高木。

樹高は15m、幹径20cmほどになる。樹皮は淡緑灰褐色。始めは滑らか、老木になると菱形の浅い裂け目が入る。本年枝は淡褐色で、柔らかな細毛が生える。皮目はやや不明瞭。2-3年枝は滑らかで光沢があり、灰白色の楕円形の皮目がある。葉は互生。葉身は長さ6-15cm、幅4-7cmの広卵形。先端は急に鋭く尖り、基部は深い心形。縁には不揃いな細かい重鋸歯がある。側脈は15-23対、裏面に突出し、裏面脈上には長い伏毛がある。葉柄は長さ1-2cmで、軟毛が多い。雌雄同株。花は、春、新葉の展開とほぼ同時に咲く。雄花序は緑黄色で長さ5cm、前年枝から垂れ下がる。雄花は苞の下に1個ずつ付く。苞は卵状楕円形で縁には長い毛がある。雄蕊は4-8個。雌花序は本年枝の先端や短枝の腋から垂れ下がる。雌花は苞の内側に2個ずつ付く。苞は卵状披針形で縁には長い毛がある。雌花の基部には小苞がある。小苞は花の後大きくなり、葉状の果苞になる。
花期は4-5月。
果実は堅果。8-10月に熟す。果穂は長さ4-15cm、幅2-4cmで、葉状の果苞が密生する。果苞は長さ1.8-2.5cmで、縁には不揃いな鋭い鋸歯がある。堅果は果苞の基部に付き、長さ約5mmの扁平な卵状楕円形。表面には10-12個の縦の筋がある。

※ 名は、沢沿いに自生の見られる薪炭用の樹木の意と推定される。
 [近縁種]
  クマシデ:葉の側脈が20-24対と多く、形状は狭卵形~卵状長楕円形で、幅が2.5-4.5cmと狭く基部は円形か浅い心形で左右不同。


主写真撮影日:2017-07-20   撮影地:群馬県渋川市 赤城自然園
撮影者:MOMO