ヌマスギ

学名:Taxodium distichum  

ヌマスギ(沼杉)[別名:ラクウショウ] ヒノキ科ヌマスギ属

北アメリカ東南部、メキシコ原産で、水湿地・沼地・川辺などに生育する落葉高木で、日本では庭園樹や公園樹として植栽される。

樹高は20m、径70cmほどになる。樹皮は赤褐色。濡れると黒褐色になる。縦に裂けて剥がれ落ちる。下部は凹凸が目立つ。枝は始め緑色で無毛、後に褐色になる。葉は側枝に羽状に互生する。長さ1-2cmの扁平な線形で、柔らかい。秋には赤褐色に色付き、側枝ごと落ちる。雌雄同株。雄花は長さ10-20cmの花序に多数付く。雌花は緑色で、枝の先端に数個付く。
花期は4月。
球果は径2.5-3cmの球形で、10-11月に緑白色から褐色に熟す。果鱗は10-12個。各果鱗に2個種子が付く。熟すと果鱗が開いて種子を出す。種子は長さ1.2cmほどで、歪な翼がある。表面は光沢のある褐色。

※ 名は、沼のほとりに生育することから。また別名のラクウショウ(落羽松)は、葉が水平に並ぶ形を鳥の羽根に見立て、秋に枝ごと葉が落ちることによる。
 他の樹木なら根腐れを起こすような水湿地にもよく育ち、そのような場所では膝根(しっこん)と呼ばれる呼吸根を地中から出し、特異な景観を呈する。
 メタセコイアによく似るが、メタセコイアは葉が対生し、球果はヌマスギより小さい。


主写真撮影日:2017-07-13   撮影地:東京都文京区 小石川植物園 (植栽)
撮影者:MOMO