タイワンツクバネウツギ

学名:Abelia ionandra  

タイワンツクバネウツギ(台湾衝羽根空木) スイカズラ科アベリア属

奄美大島・沖縄の、海岸や山地の岩地に稀に生育する半常緑低木。

高さ1-2m。密に分枝する。樹皮は灰褐色。、縦に裂け目ができる。若い枝には開出した短毛が密生する。葉は対生し、葉柄は長さ1-3mmになり、葉身は長さ7-20mm、幅3-10mmの菱状卵形、卵形、長楕円形で、縁に2-3対の低い鋸歯があるかまたは全縁となる。葉の表面は短毛がまばらに生えるか無毛で、裏面には毛は無い。夏~初秋、枝先や葉腋から2-3花の集散花序を付けるが、枝先では密な短い円錐花序になり多くの花を付ける。花柄状の下位子房は、長さ3-5mmの円柱形で、縦に稜がありわずかに毛が生える。萼片は5個ありほぼ同長、裂片は長さ3-4mmの匙形で、先は鈍頭または鋭頭で基部は次第に細くなる。花冠は長さ5-10mmになる漏斗形で、白色、先は5裂し、芳香がある。雄蕊は4個あり、花冠より長く突き出る。雌蕊は花冠より僅かに突出する。
花期は7-9月。
果実は長さ4-4.5mmになる細長い紡錘形の痩果で、ツクバネ状の萼片が残り、10-11月に熟す。

※ 名は果実がプロペラ状の萼片をつけ、羽根突きの「衝羽根」に似ていて、台湾に生育することに由来。
 主に中国大陸に分布する Linnaea chinensis を基本種とする変種。
 環境省のレッドデータリスト(2007)では、「ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種」の絶滅危惧IA類(CR)に登録されている。


主写真撮影日:2017-07-13   撮影地:東京都文京区 小石川植物園 (植栽)
撮影者:MOMO