学名:Hydrangea petiolaris
ツルアジサイ(蔓紫陽花)[別名:ゴトウヅル、ツルデマリ] アジサイ科アジサイ属北海道・本州・四国・九州の、山地の林内に生育する蔓性の落葉木。
幹や枝から気根を出して他物を這い登り、長さ10-20mに達する。樹皮は淡褐色で、縦に薄く剥がれる。枝は褐色~帯赤褐色で縮れた毛がある。気根は主に2年目以降の枝から出る。葉は対生。葉の大きさや形は変化があり、樹上の枝では長さ5-12cmでほぼ卵形。岩上の株や林内を這う枝の葉は円形で、長さ2cmに達しないものもある。先は尖り、基部は円形~浅い心形、縁には片側だけで30個以上の不揃いな鋸歯がある。質は洋紙質で、裏面は帯白色、両面とも脈に沿って短い毛があり、裏面の脈腋には密生する。葉柄は長さ3-9cm、上面の両側に長い軟毛がある。晩春から初夏、枝先に径10-18cmの花序を出す。装飾花は白色で、3-7個が両性花を取り囲む。装飾花の萼片は3-4個、長さ1.5-3cmの倒卵状円形~広卵形。両性花の花筒は長さ1.5-2mmの倒円錐形。花弁は黄白色で5個。先端がくっついたままで開かず、帽子を脱ぐように脱落する。雄蕊は15-20個と、アジサイ属の他の種類に比べて多い。花柱は2個。花柱と萼片は果時にも残る。
花期は6-7月。
果実は蒴果で、径3.5mmほどの球形で、9-10月に熟す。種子は長さ約1.5mmの扁平な卵形で、縁には翼がある。
※ ヨーロッパやアメリカでは壁面を覆う植物としてよく利用される。
[近縁種]
イワガラミ:装飾花の萼片は1個。葉の鋸歯が大きく20個以下。
主写真撮影日:2017-06-25 撮影地:長野県白馬村
撮影者:MOMO