オシダ

学名:Dryopteris crassirhizoma  

オシダ(雄羊歯) オシダ科オシダ属

北海道・本州・四国の、温帯林(ブナ林域)の林床に生育する夏緑性のシダ植物。低地では、空中湿度が高いスギ林に好出する。

根茎は短く塊状。葉は放射状に叢生し、大型。鱗片は密に付き、褐色~濃褐色。葉は柔らかい革質。葉身は長さ50-120cm、幅15-30cm、葉柄は短く、葉身の1/3~1/5で、葉の幅は先端から1/3で最も幅広く、先端は尾状に伸びる。2回羽状深裂~全裂、倒披針形で、下部の羽片は短く、狭披針形。葉脈は2分岐し、凹む。羽片は鈍頭~円頭、鈍鋸歯縁。葉柄と羽軸上には明褐色の艶のある鱗片が密生する。羽片は線形で先が尖り、裂片は長楕円形で先端はやや丸い。胞子嚢群(ソーラス)が付くのは上部の羽片だけであり、小羽片の縁と中肋の中間に付く。包膜は全縁。

※ 名は、雄大な草姿に由来する。
 薬用植物としても、用いられ、日本薬局方には駆虫薬として記載される。
 [近縁種]
  ミヤマクマワラビ:オシダより全体にやや小さく、鱗片が黒褐色で、葉脈が単条、ソーラスが縁に付く。     


主写真撮影日:2017-06-25   撮影地:長野県白馬村
撮影者:MOMO