コモジゴケ

学名: Graphis intricata  

コモジゴケ(小文字木毛) モジゴケ科モジゴケ属

本州・四国・九州の、山地の樹皮上に生育する地衣類。

痂状(かじょう)の固着地衣。地衣体は平滑、 薄く、灰白色~淡黄褐色。子器は黒色で目立ち、多数が薄く、散在または密集し、直線・屈曲・曲がりくねるなどの形態となる。また、しばしば枝分かれすることもあり、やや埋没し、縁は薄く、 長さ1-6mm、幅 0.05-0.10mm、子器上部は幅が広くなったり、狭くなったり変化が多く、全体としては狭い。果殻は完全に炭化し、下部が閉じている。子嚢層は厚さ100-120µm。子嚢は胞子8個を入れる。胞子は6-8室、長さ25-30µm、幅5-8µm。

※ 名は、黒い筋状の子器の形が文字のように見えるモジゴケの中で、筋が短いことから。
 モジゴケ属は日本では約20種が知られ、樹皮上に着生するのが普通で、一部カバイロイワモジゴケなどが岩上に着生する。
 モジゴケ属の種の正確な同定には、子器断面の形態や胞子に基づくため、顕微鏡による専門的な形態観察が必要。


主写真撮影日:2016-12-03   撮影地:神奈川県相模原市南区
撮影者:MOMO