ムレスズメラン

学名:Oncidium  

ムレスズメラン(群雀蘭)[別名:オンシジウム] ラン科スズメラン属

スズメラン属や近縁の属はおよそ400種が中南米の熱帯・亜熱帯地域に広く分布し、それらを交配した園芸種で観賞用に栽培される多年草。

丈は10-70cm、品種により異なる。花茎はバルブ(偽球茎)の基部から出て、長い花茎を上から斜め上に伸ばす。花は唇弁が大きく広がり、これが花の大部分を占める。赤みがかった褐色の斑点がある。萼と側花弁はほぼ同型で、唇弁より幅狭くて小さい。細長い花茎に小花を10-50輪付ける。
花期は9-10月。
果実は蒴果。果実は裂開せず、隙間から種子が出る。

※ 名は、花の様子からイメージされたもの。
  オンシジウムは、属名で小種名ではなく、旧来のオンシジウムは、分類学的な見直しによって、分離されて他の属に移動したり、新属として独立する種がある。黄色い唇弁の種は、別属とされるようになっている。しかし現在もそれらはオンシジウムの名で流通している。
 オンシジウムに近い属に、ブラッシア・ゴメサ・ミルトニア・オドントグロッサム・イオノプシス・アダ・コクリオダなどがあり、それらと掛け合わせた属間交配種もたくさんある。
 園芸種では、桃色や白・赤・褐色・オレンジの他、斑入りや複色、複輪なども作出されている。
 従来最も普及していた園芸品種は黄色く広がった唇弁が目立つ花を多数付ける品種で、原種としてはGomesa flexuosa(旧名Oncidium flexuosum)やGomesa varicosa(旧名Oncidium varicosum)で、それらを中心に作出された交配品が数多くある。現在この類の代表とされるアロハイワナガもこの系列。最近では小型の原種、ケイロフォルム(Oncidium cheirophorum)や、同じく小型で桃色の花をつけるオルニソリンクム (Oncidium ornithorhynchum)、およびそれらの交配種もよく市場に流通する。またオブリザタム(Oncidium obryzatum)は小さな花が多数付くことで評価が高い。 


主写真撮影日:2016-10-10   撮影地:神奈川県相模原市南区 (植栽)
撮影者:MOMO