オランダキジカクシ

学名:Asparagus officinalis  

オランダキジカクシ(阿蘭陀雉隠)[別名:アスパラガス、マツバウド] キジカクシ科[クサスギカズラ科]キジカクシ属

南ヨーロッパ原産で、野菜として栽培される多年草。日本へは1781年以前にオランダ人によって観賞用として渡来した。逸出したものが野草化もしている。

丈は50-200cm。地下に根茎を持つ。葉は鱗状で、茎が伸びると脱落する。主茎から多数の枝を出し、さらに節に細い葉のような長さ1-2cmの枝(葉状枝、あるいは偽葉、仮葉と呼ばれる)が数個集まって付く。雌雄異株。夏、鱗片葉の葉腋に1-2個の黄緑色で釣鐘形の黄白色の小花を付ける。花弁は6個、筒状で全開しない。
花期は6-8月。
果実は、液果で径7-8mmの球形、秋に紅熟する。

※ 名は、オランダから渡来したキジカクシの意。キジカクシは成長すると細かく切れた葉に見える枝がキジが隠れることができるほど生い茂ることから。
 [近縁種]
  キジカクシ   :北海道・本州・四国・九州の、山地の草地、ときに海岸の草地などに生育する。
           茎は長さ50-100cm、円柱形で、稜線がある。
           葉状枝は長さ10-20mm、線形、扁平でゆるく湾曲する。
           果実は赤熟する。
           和製のアスパラガスと呼ばれ、若茎は食用となる。
  クサスギカズラ :本州・四国・九州の 海岸の崖地などに生育する。根茎は短く、多数の肥厚した根を付ける。
           葉状枝は普通3個の束になり、類かま形。
           果実は、秋に黄白色に熟す。
 観葉植物として栽培されるものは下記がある。
  シノブボウキ  :装飾用の切り葉や鉢植え用に用いられる。一般にはプルモーサスの名でよばれることが多い。
  スギノハカズラ :荒めの葉を四方に出して下垂し、吊鉢(つりばち)用に多く用いられる。
  タチボウキ   :松葉状の小葉をつけ、高さ1-2mの低木状となる。 大形の切り枝、温室観葉として用いられる。
  タチテンモンドウ:高さは約20cm。花壇の縁植えなどに利用される。


主写真撮影日:2001-09-23   撮影地:長野県松本市 (植栽、果実)
撮影者:MOMO