コモチイトゴケ

学名:Pylaisiadelpha tenuirostris  

コモチイトゴケ(子持糸苔) ナガハシゴケ科コモチイトゴケ属

北海道・本州・四国・九州の、山地の樹幹や倒木上に生育する蘚類。ときに市街地でも見られる。

植物体は緑色~黄緑色、光沢がある。葉腋に細胞が1列の糸状の無性芽を付ける。茎は這い、枝は長さ約5mm、葉を含めた幅0.3-0.5mmの糸状に不規則に分枝する。糸状の偽毛葉がある。枝葉は長さ0.6-1mmの披針形、先が長く尖り、曲がることが多い。葉縁は全縁又は上部に細かい歯があり、弱く反曲する。中肋は非常に短いか又は欠く。葉身細胞は長さ50-70μm、幅3-4μmの線形、薄壁。葉の翼部の細胞は方形、黄金色。雌雄異株。蒴柄は長さ1.5-2cm、平滑。蒴は長さ約2mm、円筒形、相称。蓋には長い嘴がつく。口環は分化しない。蒴歯は2列。内蒴歯の間毛(シリア)はない。

※ 名は、無性芽を付ける細い糸状のコケの意。
[近縁種]
 シダレウニゴケ   :葉が長さ約1.5㎜の卵形~卵状披針形。
            蒴柄は長さ1-1.5cm、蒴柄の上部や蒴に刺状のパピラがある。
            稀にしか見られない。
 エダウロコゴケモドキ:葉身細胞の背面中央に1個の大きなパピラがある。
            やや苔類に似る。         


主写真撮影日:2016-06-26   撮影地:東京都町田市 芹が谷公園
撮影者:MOMO