シラビソ

学名:Abies veitchii  

シラビソ(白檜曽)[別名:シラベ] マツ科モミ属

本州の福島県から中部地方/紀伊半島・四国原産で、亜高山帯のコメツガ・オオシラビソ・トウヒ・ダケカンバなどと混生したり、蹂躙をつくることもある常緑高木。

樹高は20m、幹径50cmほどになる。樹冠は端正な円錐形。寿命はあまり長くなく次々と更新する。樹皮は灰褐色で平滑。ヤニの溜まった横長の袋がところどころにある。若い枝には褐色または灰褐色の細い毛がある。葉は螺旋状に密生する。長さ2-2.5cmの線形で、先端は凹む。表面は青みを帯びた緑色で光沢がある。表面には気孔帯が2本ある。雌雄同株。雄花は前年枝葉腋に垂れ下がって付く。雌花は暗紅色で直立する。花は幹の上部に付き、下方の枝には付かない。3年に1度くらいの割合で開花結実する。
花期は5-6月。
果実は球果で、長さ5-6cm、径2-2.5cmの円柱形、若いときは青紫色を帯びる。種鱗は幅1-1.5cmの扇状。苞鱗は種鱗とほぼ同長またはやや長く、先端は棘状に尖り、種鱗の隙間から僅かに突き出る。種子は長さ6mmほど、種子本体と同長またはやや短い翼がある。その年の10月頃に種子が成熟すると、種鱗はバラバラになって飛散し、中軸だけが枝に残る。

※ 和名については、諸説あり。
 [近縁種]
  オオシラビソ:枝を上から見たとき、オオシラビソは葉に枝が隠れ、シラビソでは見える。
         球果はシラビソより大きい。苞鱗は外に付き出ない。


主写真撮影日:2009-10-11   撮影地:長野県白馬村 栂池自然園
撮影者:MOMO