イヌケゴケ

学名:Schwetschkeopsis fabronia  

イヌケゴケ(犬毛苔) コゴメゴケ科イヌケゴケ属

北海道・本州の、岩や樹木の上に薄いマットを作って生育する蘚類。

茎は這い、不規則な羽状に分枝するが、枝は基物に密着し、葉を含めて幅0.2-0.4mm。葉は密にやや扁平に付き、僅かに光沢があり、乾くと茎や枝に接して縮れず、長さ0.5-0.7mm、卵形~卵状披針形でやや急に短く尖る。葉縁は平らでほぼ全周に細胞の突起による細かい歯があり、普通最外周の細胞壁は内側の壁よおり薄い。中肋を欠く。枝葉はやや小さく、先は漸突する。葉身細胞は楕円形~楕円状線形で長さ20-28μm、背面の上端に普通1個の目立たない乳状突起(パピラ)がある。翼部の細胞は方形~短い矩形でやや明確な区画を作る。蒴は稀。蒴柄は長さ4-8mm。蒴は楕円状卵形。内蒴歯の間毛は無い。胞子は13-20μm。

[近縁種]
 オオヒメヒナゴケ:イヌケゴケよりやや大形。本州・四国・九州に分布。
          一般には立ち上がり、乾くと湾曲し、葉は一方を向いて、枝全体が動物の尾のようになる。
          中肋は2叉して短く、ときに不明瞭。          


主写真撮影日:2016-07-28   撮影地:東京都八王子市
撮影者:MOMO