ゴンズイ

学名:Euscaphis japonica  

ゴンズイ(権萃)[別名:ゴゼノキ] ミツバウツギ科ゴンズイ属

関東地方以西の本州・四国・九州の、日照の良いやや乾燥した雑木林の林縁に生育する落葉小高木。

樹高は、3-8m。枝が疎らに出るため、まとまりのない樹形になる。若木の樹皮は灰褐色。太くなると黒褐色。白い縦長の筋が入る。本年枝は緑褐色~褐紫色で、白い縦長の皮目が目立つ。主に仮頂芽から出て、側芽からは出ないため、枝の数は少ない。冬には赤くなる。葉は対生。長さ10-30cmの奇数羽状複葉で、2-5対の小葉がある。葉柄は長さ3-10cm。側小葉は長さ5-9cm、幅2-5cmの狭卵形。頂小葉はやや小さい。先は尖り、縁には芒状の鋸歯がある。表面は濃緑色でやや光沢があり、裏面の脈上には毛が生える。小葉の柄は長さ1cm以下。本年枝の先に長さ15-20cmの円錐花序を出し、黄緑色の小さな花を多数付ける。花弁と萼片は5個、ほぼ同形で、ともに平開しない。雄蕊は5個、雌蕊は1個、柱頭は3裂する。雄蕊と雌蕊はほぼ同長。
花期は5-6月。
果実は袋果。長さ1cmほどの半月形。果皮は肉質で厚く、9-11月に赤く熟す。熟すと裂開し、黒い光沢のある種子が1-2個現れる。種子は径約5mm。

※ 名は、材が脆く役に立たないため、同様に役に立たない魚のゴンズイの名が付けられたという説がある。
 春先に枝を切ると、樹液が溢れ出ることから、四国や九州ではショウベンノキと呼ぶ地方もある。


主写真撮影日:2013-09-01   撮影地:神奈川県相模原市緑区 (果実)
撮影者:MOMO