フサザクラ

学名:Euptelea polyandra  

フサザクラ(総桜、房桜)[別名:タニグワ] フサザクラ科フサザクラ属

本州・四国・九州の、山地の谷筋や崩壊地・痩せ地に多く生育する落葉高木。

樹高は7-8m。大きいものでは15mに達する。よく枝分かれする。樹皮は褐色で横長の皮目が多い。新枝は赤褐色。葉は互生。短枝では先端に集まって付く。葉身は長さ幅ともに4-12cmの広卵形。先端は尾状に長く尖り、基部は円形。7-8対のはっきりした側脈があり、縁には不揃いの粗い鋸歯がある。裏面は白っぽい。新葉は赤味を帯びる。葉柄は長さ3-7cm。花は、葉の展開する前に開花する。短枝の先に5-12個の花が集まって咲く。花には花弁や萼はなく、垂れ下がった雄蕊がよく目立つ。雄蕊は多数あり、葯は長さ7mmほどの線形で暗紅色。花糸は白い糸状。雌蕊は多数、柄があり、柱頭は広がる。
花期は3月下旬から4月。
果実は翼果。長い柄で垂れ下がり、10月頃黄褐色に熟すと、風によって飛ばされる。翼果の長さは柄を除いて5-7mm、中には種子が1個入る。

※ 日本固有種。
  名は、樹皮の皮目がサクラに似、開葉する前に両性花の暗紅色の人目をひく花が房状になって咲くことから。


主写真撮影日:2013-06-23   撮影地:東京都八王子市 (果実)
撮影者:MOMO