ヒメコクサゴケ

学名:Isothecium subdiversiforme  

ヒメコクサゴケ(姫こくさ苔) アオギヌゴケ科ヒメコクサゴケ属

本州・四国・九州・沖縄の、林内の樹幹や岩の上に生育する蘚類。

一次茎は這い、二次茎は立ち上がって長さ3-4cm、上部で不規則に分枝し、多くの枝を出してやや樹状になる。枝先は細く、ときに細い鞭状に伸びる。葉は乾いても展開したまま。枝中部の葉は長さ2mm前後、卵形~卵状楕円形で凹み、鋭頭、葉先の縁にやや大きな不規則な歯がある。中肋は1本で歯の中部以上に達し、ときに上部で不等に2叉する。葉身細胞は長い菱形~線形で長さ25-40μm、平滑でやや厚壁。葉の翼部の細胞は方形~矩形で濃緑色の区画をつくる。雌雄異株。蒴柄は側生し、長さ約1cm。蒴は長卵形でやや傾き、多少非相称。内蒴歯の歯状突起には縦に裂け目がある。間毛は1-2本。胞子は径13-18μm。

 [近縁種]
  ミヤマコクサゴケ:枝は少ない。枝先はあまり細くない。二次茎の葉は広い鈍頭で小さな歯があり、乾くと枝に接する。
           樹木に着生する。分布域は北海道と本州。


主写真撮影日:2016-07-03   撮影地:東京都八王子市
撮影者:MOMO