ジュウモンジシダ

学名:Polystichum tripteron  

ジュウモンジシダ(十文字羊歯) オシダ科イノデ属

北海道・本州・四国・九州の、山地の林床に生育する夏緑性のシダ植物。暖地では常緑性。特に、渓流周辺の平坦地によく見られる。

丈は30-50cm。根茎は短く、直立し、葉は叢生する。葉柄は長さ12-30cm、径約2mm、 基部の鱗片は披針形、暗褐色~上部は淡褐色、膜質、軸に圧着する。中軸にも圧着した鱗片がある。葉身は黄緑色、質が薄く、紙質、長さ30-45cm、幅10-16cm 、3羽片からなり、左右の対の羽片は長さ5-8cm、幅2-5cmと小さく、中間の直立する羽片だけが長さ30-40cm、幅5-8cmと 大きくなって、十文字のように見える。羽片は全裂し、小羽片は長三角状、鋭鋸歯があり、基部の前部がやや耳状になり、先が尖る。胞子嚢群(ソーラス)は中肋の両側に並ぶか、散在する。包膜は円形で、縁に不定の鋸歯がある。特異な形でわかりやすいが、十文字にならないときもある。

※ 名は、葉の開き方が、全体として十文字のようになることから。


主写真撮影日:2016-07-03   撮影地:東京都八王子市
撮影者:MOMO