ツクシナギゴケ

学名:Eurhynchium savatieri  

ツクシナギゴケ(筑紫ナギ苔) アオギヌゴケ科ツルハシゴケ属

日本全土の、湿った地上・岩上・腐木上に生育する蘚類。

茎は這い、不規則に分枝する。横断面で中心束がある。枝は密で長さ1cm前後、やや疎らに葉を付け、湿ると全体が弱く扁平。茎葉は長さ1-1.5mm、心臓状卵形で漸尖し、鋭頭、基部はやや広く下延し、全周に細かい歯がある。中肋は葉長の約2/3-3/4、背面上端は1個の歯で終わる。葉身細胞は線形、長さ35-45μm、幅3-5μm、枝葉は茎葉に似る。蒴柄は長く、蒴は傾き非相称で気孔がある。蓋には長い嘴がある。蒴歯は完全。帽は僧帽形で平滑。蒴柄の全面に乳状突起(パピラ)がある。

※ ナギゴケの漢字や由来は確認できず。
 [近縁種]
  ツクシナギゴケモドキ:葉はやや離れて付き、乾いても扁平にならない。
             渓谷の湿った地上や岩上に生育。
  キブリナギゴケ   :大形で硬く、羽状に分枝し、樹木の枝のようになる。
             枝の幅が葉を含めて、0.5-1mmと細い。
             全体の外観は全く異なるが、茎葉が似ている。枝葉は小さく異なる。
  コカヤゴケ     :葉が長さ2-4㎜と大きく、光沢が強く、葉身細胞が長さ120-150µmと長い。
             葉の中肋の先端に歯がない。


主写真撮影日:2016-05-18   撮影地:東京都町田市 忠生公園
撮影者:MOMO