コメバキヌゴケ

学名:Haplocladium microphyllum  

コメバキヌゴケ(米葉絹苔) シノブゴケ科コバノキヌゴケ属

北海道・本州・四国・九州・沖縄の、日照の良い地上・腐木上・樹木の根元などに生育する蘚類。

植物体は中形、緑色~黄緑色、古くなると黄褐色。茎は長さ5cm以下で這い、不規則に羽状に分枝し、枝分れのある毛葉を散生する。茎葉は長さ1.5-2mmの広卵形で、先が下部から細く伸び、中肋が葉先にほぼ達し又は突出する。葉縁には細歯がある。茎葉の中部葉身細胞は幅約5-20µm、薄壁、1個のパピラがある。枝葉は小形、広披針形、中部の葉身細胞は長さ8-13μmの方形~六角形、薄壁、中央に1個のパピラがある。蒴柄は下部が赤褐色で、長さ2-2.5cm、平滑。蒴は長さ約2mm、傾き、横向きに付く。蒴帽は僧帽形。蒴歯は2列、完全。外蒴歯は黄褐色、上部はパピラがあり、下部は縞がある。内蒴歯は細かいパピラがある。胞子は径15µm。

※ ノミハニワゴケ(Haplocladium angustifolium)との差は、顕微鏡での比較が必要となる。
 [近縁種]
  コニワゴケ   :コメバキヌゴケと同様、枝葉の葉身細胞の中央に1個の乳状突起(パピラ)がある。
           茎葉は広披針形、中肋は葉先に届かない。
  ノミノハニワゴケ:枝葉の葉身細胞の背面上端に小さな乳状突起(パピラ)がある。
  スジシノブゴケ :茎や枝が多くの毛葉で覆われる。
           葉身細胞の上端に小突起がある(ときに小さなパピラが中央にある)。
  ケアサゴケ   :茎や枝が多くの毛葉で覆われる。
           葉身細胞の中央に大きな乳状突起(パピラ)がある。


主写真撮影日:2016-05-17   撮影地:神奈川県相模原市南区
撮影者:MOMO