イヌコリヤナギ

学名:Salix integra  

イヌコリヤナギ(犬行李柳) ヤナギ科ヤナギ属

北海道・本州・四国・九州の、山野の乾燥した場所にも生育するが、川沿いに多く生育する雌雄異株の落葉低木。

高さは1.5mほどになる。樹皮は暗灰色で滑らか。裸材に隆起条は無い。新枝は黄褐色で細く、密集して真っ直ぐに伸びる。葉は主として対生だが、互生も混じる。葉身は長さ4-10cm、幅1.3-2cmの長楕円形。縁には浅い鋸歯がある。新葉の縁は巻かない。両面とも無毛。葉柄は殆ど無い。花は葉の展開前に開花する。花序は細長い円柱形で殆ど無柄。雄花序は長さ2-3cm。雄蕊は2個。花糸は合着して1個。基部には腺体が1個ある。葯は紫紅色。雌花序は長さ1.5-2.5cm。子房は卵形で淡緑色。花柱は短く、柱頭は黄緑色~紅色。腺体は1個。苞は倒卵形で、両面に長い白色の毛がある。雄花の苞の上部は黒色、中部は淡紅色、下部は淡緑色。雌花の苞の上部は黒褐色、中部は紅色、下部は淡緑色。
花期は3月。
果実は蒴果。5月に成熟して裂開する。

※ 名は、コウリヤナギ(別名:コリヤナギ)に似ているが、役に立たないという意味から。
 栽培品種であるハクロニシキ(白露錦、学名:S. integra 'Hakuro Nisiki')がよく植栽される。


主写真撮影日:2016-05-28   撮影地:長野県長野市 戸隠高原
撮影者:MOMO