クマワラビ

学名:Dryopteris lacera  

クマワラビ(熊蕨) オシダ科オシダ属

北海道の奥尻島・本州・四国・九州の、林床や林縁・日陰の道端・石垣などに生育する常緑のシダ植物。

丈は40-80cm。根茎は短く、葉を叢生する。葉柄基部の鱗片は密につき、褐色~赤褐色。葉身ははやや厚い草質、長さ40-70cm、幅15-30cmの楕円形~長楕円形、2回羽状複葉、下部の羽片はやや幅が狭くなる。羽片は上端部の胞子嚢群(ソーラス)を付ける小さい部分と、胞子嚢群を付けない大きい部分の2つに分かれる。胞子嚢群を付けない羽片は長楕円状披針形で、下部の裂片は基部の両側が耳状に膨らむ。胞子嚢群(ソーラス)は先端の縮小した部分の裏面全面に付き、胞子を出すと枯れる。包膜は円腎形。

※ 名は、葉柄の鱗片を熊の毛に例えたことから。
 [近縁種]
  オクマワラビ   :ソーラスが葉の上部半分の羽片に付き、羽片が下部でも狭くならない。
  アイノコクマワラビ:クマワラビとオクマワラビの雑種。
            上半分はオクマワラビに似て、下半分はクマワラビに似る。   


主写真撮影日:2016-05-22   撮影地:山梨県大月市
撮影者:MOMO