タチドコロ

学名:Dioscorea gracillima  

タチドコロ(立野老) ヤマノイモ科ヤマノイモ属

本州・四国・九州の、山地に生育する蔓性の多年草。

根茎は水平に不規則に伸びる。茎は左巻き。葉は互生し、ときに基部では3-4輪生し、葉柄は長さ7-12cm。葉身は長さ5-10cm、幅3-7cmの三角状卵形~三角状楕円形、先が長く尖り、基部は心形。葉縁はほぼ全縁、しばしば細かい波状の鋸歯縁となる。雌雄異株。雄花序は不規則に分枝し、まれに集散花序状になり、花軸が細く垂れ下がるが、直立することもある。雄花は単生又は稀に、花序の基部に2-3個つき、無柄。苞は卵形、膜質。小苞は苞より短い。花被は黄緑色~黄色~淡橙色。皿形、花被片は6個、卵状円形、長さ1.5-2mm。雄蕊は3個、仮雄蕊3個。雌花序は分枝せず、長さ7cm以下、疎に数個の雌花を疎に付ける。雌花は花被が黄緑色~黄色~淡橙色、花被片6個、子房下位で太い柄のように見える。花柱は3裂し、仮雄しべ6個。
花期は5-7月。
蒴果は長さ18-22mm、幅18-20mm、薄い翼状の3室があり、種子は室の中央に1-2個入り、種子の翼が上側を除き、果実の縁まであり、熟すと上側が裂開する。種子は楕円形、全周に翼があるか又は1辺に翼がほとんどないことも多い。まれに2種子が1つの翼に包まれることもある。

※ 名はオニドコロに似て葉が初期に直立することによる。
 [近縁種]
  オニドコロ :葉の幅が広い。花色は淡黄緑色。雄花序が上向きに付く。
  ヒメドコロ :葉の幅が狭い。花色は淡黄色。
  カエデドコロ:花は黄色が鮮やかで、雄蕊が6個とも花粉を出す。
  ヤマノイモ :葉縁に細かい波状の鋸歯がない。花は白色。


主写真撮影日:2016-05-22   撮影地:山梨県大月市
撮影者:MOMO