ヒメシダ

学名:Thelypteris palustris  

ヒメシダ(姫羊歯) ヒメシダ科ヒメシダ属

北海道・本州・四国・九州の、日照の良い湿地や休耕田・水田の畦などに生育する夏緑性のシダ植物。

丈は、40-80cm。根茎は長く、湿地に群生する。葉柄は長さ20-40cm、 わら色、無毛、基部は黒褐色。鱗片は疎らに付き、淡褐色、広披針形~卵形。葉はやや2形、胞子葉が長く、細い。葉身は柔らかい紙質。栄養葉の羽片は10-25対、長さ22-28cm、幅6-9cmの広披針形、単羽状葉、深裂。裂片は全縁が普通、葉脈は2枝に分かれ、縁に達する。葉の裏面には腺点と毛がある。秋に出る胞子葉の羽片は狭く幅1cm程で線状披針形、柄がない。裂片が内に巻き、その中に多数の胞子嚢群(ソーラス)があり、やや中肋寄りに付く。包膜は小さい円腎形で毛がある。

※ 名は、葉が細長く、薄い葉質で柔らかな感じから。
 [近縁種]
  ヤワラシダ  :山野の道端や林縁などに生育し、2形にはならない。葉身は広披針形、普通長さ30cm、幅15cm程度。
          胞子嚢群は裂片の中肋と辺縁の中間に付き、円形。
          側脈は単条か2叉し、先端は裂片の縁に達しない。
  ハリガネワラビ:裂片に鋸歯はなく、苞膜は大きく辺縁寄りに付き腎円形、側脈は縁に達する。
  ハシゴシダ  :裂片が鋭頭で鋸歯はなく、苞膜は辺縁寄りに付き腎円形、側脈は縁に達する。


主写真撮影日:2016-05-18   撮影地:東京都町田市 忠生公園
撮影者:MOMO