タチクラマゴケ

学名:Selaginella nipponica  

タチクラマゴケ(立鞍馬苔) イワヒバ科イワヒバ属

東北地方南部以南の本州・四国・九州の、日照の良い原野や山麓の湿地などに生育する常緑シダ植物。

地面を這う主茎(匍匐茎)は長さ5-12cm、側枝と担根体を出し、しばしばマット状になる。主茎、側枝共に葉は二形で、横に開出する広卵形、鋭頭、細鋸歯縁の腹葉と、交互に斜上する狭卵形、鋭尖頭、細鋸歯縁の背葉からなる。主茎、側枝の葉はどちらも密のため主茎と側枝とはあまりはっきりと認識できない。胞子嚢をつける側枝は直立して1-2回分岐し、長さ18-50mm、幅2-4.6mm。葉は二形から次第に卵形~狭卵形、鋭尖の同形となる。茎を取り囲むように多数の小さい胞子を含む橙赤色の小胞子嚢と4個の大きな胞子を含む橙黄色の大胞子嚢が付く。冬季には直立した側枝が枯れ、主茎だけが残る。

※ 名にコケがあるが、蘚苔類では無い。
[近縁種]
 クラマゴケ     :栄養葉の先の小枝(胞子嚢穂)に胞子嚢を付け、胞子葉はすべて同形で、細鋸歯がある。
            主茎の葉は疎らに付くため明確。
            北海道・本州・四国・九州に分布。
 ヒメクラマゴケ   :胞子嚢穂が直立し、胞子葉は2形あり、背側の葉が大きい。
            静岡県福井県以西の本州・四国・九州に分布。
 エゾノヒメクラマゴケ:腹葉が卵形または卵状楕円形、鈍頭、長さ約1.5mm。
            北海道、本州の亜高山帯に分布。
 コンテリクラマゴケ :茎は地表を這い、長さ1cmの胞子嚢穂が枝先に頂生し、背葉は全縁で白い膜があり、表面に紺色の
            光沢がある。
            中国原産で、観賞用栽培種の逸出。


主写真撮影日:2016-03-17   撮影地:東京都八王子市
撮影者:MOMO