ナメリチョウチンゴケ

学名:Mnium lycopodioides  

ナメリチョウチンゴケ(滑り提灯苔) チョウチンゴケ科チョウチンゴケ属

本州・四国・九州の、道路脇・土手などの地上や岩上に多く生育する蘚類。

茎は長さ1-3cm、直立又は垂れ下がり、少数、分枝する。葉は暗緑色~緑褐色、新しい枝の芽だけ黄緑色で短く直立していることが多く、上方の葉は卵形~卵状披針形で長さ約4mm、鋭頭、中部で最も幅広い。葉縁の舷は2-3細胞列で褐色、上半部の縁に鋭い双歯が並ぶ。中肋は葉先に達するが、背面はほぼ平滑(稀に2-3の小歯がある)。葉身細胞は円形~丸みを帯びた方形~六角形、等径で12-18μm、厚角。不稔の茎の葉は離れて付いて、2列に見え、葉身細胞もやや大きいことがある。苞葉は線形。雌雄異株。蒴柄は長さ2-3cm。蒴は卵形で下垂する。蓋にはやや長い嘴がある。口環は分化する。蒴歯は2列、完全。胞子は径20-25µm、わずかにパピラ(乳状突起)がある。

※ 名は、チョウチンゴケの仲間で、中助背面に突起がないことからとの説がある。
 [近縁種]
  コチョウチンゴケ   :葉が長さ3.5mm以下で、葉身細胞が長さ35-45μmの六角形。
  トウヨウチョウチンゴケ:茎の下部に小さな三角形の葉が多数付き、葉身細胞は長さ15-30μmの方形~六角形。
  コバノチョウチンゴケ :細い枝を付け、葉縁の舷がなく、葉身細胞は長さ8-15μmの不規則な四角形。


主写真撮影日:2016-03-17   撮影地:東京都八王子市
撮影者:MOMO