学名:Ficus thunbergii
イチジク(姫崖石榴) クワ科イチジク属関東地方以西の本州・四国・九州・沖縄の、林縁に生育する常緑蔓性木本。
樹皮は暗褐色。本年枝は褐色で、開出する軟毛が密生する。枝や葉を折ると、白い乳液が出る。葉は有柄で互生。葉身は長さ2-6cm、幅1-3cmの卵形または卵状楕円形。成木の葉は全縁だが、幼木の葉には大きな歯牙が2-3個ある。質は厚い。側脈は4-6対、主脈から50-60度の角度で分岐する。裏面は淡緑色で、葉脈が鮮明。葉柄は長さ3-10mm、始め褐色の開出毛が密生するが、のちに毛は少なくなる。托葉は早落性で卵状披針形。雌雄異株で、葉腋にイチジク状の花嚢が1個ずつ付く。花嚢は径1cmの球形で、表面には白色の毛が散生し、柄には褐色の毛が密生する。雄と雌の花嚢は同形。
花期は7-8月。
果嚢は径約2cmの球形。10-11月に灰褐色に熟す。
※ 名は、全体がイタビカズラに似るが、より小形であることによる。
花は隠頭花序という形態で、花軸が肥大化した花嚢の内面に無数の花(小果)を付ける。花期は初夏。
登攀力が旺盛のため、壁面緑化に利用される。
[近縁種]
オオイタビ :生育地は千葉県以西の本州・四国・九州・沖縄。
葉は長さ4-10cmの楕円形または広楕円形。葉の側脈は主脈から30-40度の角度で出る。
果嚢は長さ3.5-5cmの倒卵形。10-11月に紫色に熟す。
イタビカズラ:生育地は福島・新潟県以西の本州・四国・九州・沖縄。
葉は長さ6-13cmの長楕円状披針形で、先端は鋭く尖り、基部は円形。
側脈は5-8対で、主脈から50-60度の角度で出る。
果嚢は径1cmほどの球形。9-11月に黒紫色に熟す。
主写真撮影日:2013-11-16 撮影地:東京都町田市 (植栽)
撮影者:MOMO