学名:Rubus buergeri
フユイチゴ(冬苺) バラ科キイチゴ属関東地方南部と新潟県以西の本州・四国・九州の、山地の林下や沿海の林縁などに生育する蔓性の常緑小低木。
茎や枝には褐色の曲がった短毛が密生する。葉は互生。葉身は長さ、幅ともに5-10cmのほぼ円形で、浅く3-5裂する。縁には細かい歯牙状の鋸歯がある。鋸歯の先端は小さな芒になる。裏面の脈上や葉柄には短毛が多い。托葉は長さ1-1.5cmの披針形で羽状に細かく裂け、落ちやすい。枝先や葉腋に白い花が5-10個集まって咲く。花弁は長さ7-8mmで萼片とほぼ同長。萼の外面や花柄には淡褐色の短毛が密生する。
花期は9-10月。
集合果は径約1cmの球形で11月~1月に赤く熟す。
※ 名は、果実が冬に熟すことから。
全体に毛が多く、刺は少ない。
[近縁種]
ミヤマフユイチゴ:葉の裂片の先が長くとがる。萼片に長毛はなく、外面の縁に白色の縁取りがある。
ホウロクイチゴ :沿海地に生育し、葉も茎も頑丈。葉先は丸く縁は不揃いに浅く裂ける。
茎には褐色の短毛が密生し、刺がある。
オオフユイチゴ :沿海地の山地の林縁に生育する。葉身は大きく長さ8-13cmのほぼ円形、ときに浅く3-5裂する。
茎には黄褐色の開出毛が密生し、細い刺が疎らに生える。
コバノフユイチゴ:山地の林内に生育する。葉身は長さ3-8cmの円形で縁には重鋸歯がある。
茎には白色の毛と、上向きの刺がある。別名はマルバフユイチゴ。
主写真撮影日:2015-12-23 撮影地:東京都青梅市 (果実)
撮影者:MOMO