ホウライシダ

学名:Adiantum capillus-veneris  

ホウライシダ(蓬莱羊歯) イノモトソウ科ホウライシダ属

千葉県以西の本州・四国・九州の、日照の良い道端や海岸近くの崖地・石垣などに生育する常緑シダ。観賞用にも栽培され、逸出して野生化しているものもある。

根茎は短く匍匐し、鱗片を密につける。葉柄は長さ3-20cm、赤褐色~黒褐色で光沢があり、基部には密に黄褐色で線状披針形の鱗片が付く。葉身は薄い草質、無毛で長さ6-25cm、幅8-16cmの卵状三角形、2回羽状複葉。羽片は3-5対付き、羽柄は長さ15mm以下。中軸や羽軸は葉柄と同色、ややジグザグになる。小羽片は長さ12-20mm、幅10-15mm、扇形~平行四辺形状扇形、上辺が不規則に切れ込み、基部は直角に近い楔形で、長さ1-2mmの柄がある。ソーラスのつかない小羽片は先が鈍頭、縁の歯は広三角状~微鋸歯。ソーラスのつく小羽片は先が切形~直線でわずかに凹み、縁は全縁~微鋸歯。ソーラス(胞子嚢群)は上部の辺縁に3-10個付く。包膜は偽包膜、腎形~円腎形、黄緑色、時間が経つと褐色になる。

※ 名は、台湾の蓬莱山に多く見られることから。
 [近縁種]
  箱根シダ:小羽片が狭扇形で、ソーラスは上部の辺縁の窪みに1個付く。


主写真撮影日:2015-03-05   撮影地:神奈川県横浜市金沢区
撮影者:MOMO