ヒナゲシ

学名:Papaver rhoeas  

ヒナゲシ(雛芥子、雛罌粟)[別名:シャーレーポピー、グビジンソウ] ケシ科ケシ属

ヨーロッパ中部原産で、シャーレーポピーは野生のヒナゲシの園芸用改良品種。江戸時代以降に観賞用に渡来し、その後野生化もしている。

丈は、30-80cm。全体に粗毛が多く、茎は疎らに分枝する。茎葉は長楕円形で羽状に深裂、不揃いの鋭鋸歯があって互生する。毛の生える蕾は、初めは下を向き、咲くときに上を向き、蕾の先端が2つに割れて、径8cmほどの4弁花または八重の花を咲かせる。花色は鮮赤色や桃色、白色。
花期は4-6月。
果実は直径1.5cmほどの円筒形、15本ほどの放射線のある円盤状の柱頭が残る。

※ シャーレー・ポピーのシャーレーはイギリスのコーンウォール州の地名で、シャーレーに在住の牧師が選抜を繰り返して1880年ごろに育成したことから。現在栽培されるほとんどが本品種。
 別名のグビジンソウ(虞美人草)は、中国の項羽と劉邦の最後の戦いのとき、項羽の寵愛を受けた虞妃(虞美人)が自害し、その傍らからヒナゲシの花が咲いたという伝説から。
 ヒナゲシからは、モルヒネの原料のアヘンは採れない。
 [近縁種]
  シベリアヒナゲシ:アイスランドポピーと呼ばれることが多い。
           シベリアや中国北部に自生。葉は根生し、羽状深裂。高さ約50センチメートル。
           早春、頂に径約10cmの橙・黄・濃朱紅色などの四弁花をつける。花弁は薄く皺がある。
           学名はPapaver nudicaule。
  オニゲシ    :オリエンタルポピーと呼ばれることが多い。
           原産地はトルコ東部~イラン北部。
           ポピーの中では草丈、花径ともに一番大きくて毛深い寒性多年草。
           花径は10-15cm、色は橙(朱赤)・赤・桃・白、基部には黒や黄、白の大きな班がある。
           学名はPapaver orientale。  


主写真撮影日:2015-05-10   撮影地:神奈川県相模原市南区
撮影者:MOMO