オニグルミ

学名:Juglans mandshurica var. sachalinensis  

オニグルミ(鬼胡桃) クルミ科クルミ属

北海道・本州・四国・九州の、川沿いや窪地など湿り気の多いところに生育する落葉高木。

樹高は7-10mになる。樹皮は暗灰色で縦に割れ目が入る。若い枝には短毛と軟毛があり、径約2cmと太く、長楕円形の皮目が多い。葉は互生、奇数羽状複葉で長さ40-60cm。葉柄と葉軸には褐色の軟毛と腺毛が密生し、小葉が5-9対付く。小葉は長さ3-8cmの楕円形で、ほとんど無柄。先端は短く尖り、基部はやや歪んだ切形、縁には細かい鋸歯がある。表面は無毛、裏面には星状毛が密生する。雌雄同株で、葉の展開と同時に開花する。雌花序は新枝の先に直立し、雄花序は前年枝の葉腋から垂れ下がる。雄花序は長さ10-22cm、小さな雄花が密集して付く。雄花には雄蕊が12-20個ある。雌花序は長さ6-13cm、花軸には長毛と腺毛が密生し、7-10個の花が疎らに付く。子房は苞と小苞、花被片が合着した筒状の花床に包まれる。花柱は2裂し、柱頭は濃赤色。
花期は5-6月。
果実は核果状の堅果。長さ3-4cmの卵球形で、堅果の外側を肥大して肉質になった花床が包む。表面は褐色の毛が密生する。9-10月に熟す。堅果は長さ2.5-3.5cmで、先端は尖り、表面には皺がある。

※ 果実はげっ歯類やリスによって運ばれ、分布を拡大する。
 種子は食用にするが、広く市販されるテウチグルミやシナノグルミに比較してやや小さく、殻が厚めで非常に堅いので、仁を綺麗に取り出すのは容易ではない。その分、味は濃厚で保存性が良い。
 名は、近縁のヒメグルミに比べ、核の部分が固く、凹凸が大きいためオニが冠せられた。
 [近縁種]
  テウチグルミ:ヨーロッパ東部からアジア西部原産で、種子を食用とすため栽培される。別名はカシグルミ。
  ヒメグルミ :日本自生種。オニグルミとそっくりで実も区別が難しい。
         種子の殻がオニグルミと比べ、中央に窪みがある他は滑らか。
  シナノグルミ:ペルシャグルミとテウチグルミが交雑してできたといわれる。
         ヒメグルミやオニグルミより大粒で食べられる部分も多いため、一般に市販されているクルミはこの種類が多い。


主写真撮影日:2015-07-31   撮影地:長野県松本市 (実)
撮影者:MOMO