タブノキ

学名:Machilus thunbergii  

タブノキ(椨の木)[別名:タブ、イヌグス] クスノキ科タブノキ属

本州・四国・九州・沖縄の、山地(関東地方以北は海岸沿い)に生育する常緑広葉樹。

樹高は20m程になる。枝張りは雄大で自然樹形は卵形。樹皮は淡褐色~褐色で滑らか。葉は互生し、枝先に集まって付く。葉身は長さ8-15cm、幅3-7cmの倒卵状長楕円形で全縁。先端は短く尖り、基部は楔形。皮質で表面は光沢があり、裏面は灰褐色。両面とも無毛。葉柄は長さ2-3cm。枝先から新葉と一緒に伸びた円錐花序に黄緑色の小さな花を付ける。花被は深く6裂する。花被片は長さ5-7mmの長楕円形で、内側の3個がやや大きく、内面に細毛が生える。花被片は花後も残る。雄蕊9個と仮雄蕊3個があり、最も内側の雄蕊の基部には、柄のある黄色の腺体がある。葯は長楕円形。花柱は細く柱頭は肥大する。
花期は4-5月。
果実は液果。径約1cmの扁球形で、7-8月に黒紫色に熟す。果肉は緑色で柔らかい。果柄は赤味を帯びることが多く、果床は肥厚しない。種子は扁球形で褐色。種子の殻は薄い。

※ 名は、鮮語の方言におけるトンバイ(独木舟)が転訛してタブとなり、タブを作る木の意とする説、または、霊が宿る木とされていたことから、霊(たま)木と呼ばれ、タブノキに変化したとする説などがあるが、定説ではない。


主写真撮影日:2015-03-22   撮影地:神奈川県逗子市 大崎公園
撮影者:MOMO