マツムシソウ

学名:Scabiosa japonica  

マツムシソウ(松虫草) スイカズラ科マツムシソウ属

北海道・本州・四国・九州の、山地の草原に生育する越年草。

丈は60-90cm。葉は対生し、羽状に深裂する。上部の葉は裂片が狭く、下部の葉は広い。頭花の基部の総苞片は葉状で線形。頭花は径約4cm、淡青紫色。花床に鱗片がある。頭花の中心部の花は筒状、花冠の先が5裂する。周辺の花は花冠の先が5裂し、2唇形の舌状、下唇の3個の裂片が大きい。全て両性の雄蕊先熟。雄蕊4個、葯が紫色、花冠から突き出る。雌蕊1個、柱頭は頭状。花冠の基部に萼があり、萼片は5-8個、刺状、果時にも残る。子房は下位、盃形の8肋のある被萼(小苞)に包まれる。
花期は8-10月。
果実は痩果で、被萼に包まれて大きくなり、約4mmの筒形、上部の刺により動物の体に付く。

※ 名は、「マツムシの鳴く頃、花が咲くことから」が定説。
 キク科に似ているが、萼や被萼(小苞)があり、葯が離生し、花冠から突き出るところが異なる。
 [近縁種]
  タカネマツムシソウ:小型の高山型。頭花が草丈の割に大きく、径3-5cm。
  ソナレマツムシソウ:関東地方の海岸に分布する。草丈が低く、葉の質が厚い。
  ミカワマツムシソウ:東三河地方の蛇紋岩地に多い。
            頭花が1-2cmと小さく、舌状花を持たないか又は3-5個の短い舌状花しかない。


主写真撮影日:2013-04-22   撮影地:神奈川県箱根町 明神ヶ岳
撮影者:MOMO