ヤマジノホトトギス

学名:Tricyrtis affinis  

ヤマジノホトトギス(山路の杜鵑草) ユリ科ホトトギス属

北海道西南部・本州・四国・九州の、山野の林内などに生育する多年草。

花茎の丈は30-60cm。茎には下向きの毛が密生する。葉は互生し、長さ8-18cm、幅2-5cmの長楕円形で、先が尖り、基部は茎を抱く。葉の縁は多くは波打ち、縁毛があり、葉の両面とも粗い毛が散生し、根本近くの葉には、緑色地に濃緑色の斑状の模様がある。花は上部の葉脇に上向きに単生、ときに2-3個付く。花披片は長さ1.5-2cmで開出し、白色に紅紫色~紫色の斑点が疎らに付く。花柱は太く、斑点がなく、先端が深く3裂して平らに開き、裂片の先がさらに2裂し、裂片だけに紅紫色の斑点がある。雄蕊は6個。3本の花糸は花柱の先の裂片の下側に沿い、残り3本が裂片の間に見える。花糸には斑点はない。花被片の幅や斑点の濃さには変化がある。
花期は8-10月。
果実は蒴果で3稜があり、胞間裂開する。

※ 名は、花にある斑紋が鳥のホトトギス(杜鵑)にある胸の斑紋に似て、山路でよく出会うことから。
 [近縁種]
  シロバナヤマジノホトトギス:ヤマジノホトトギスの白花品種。
  ヤマホトトギス      :茎先や上部の葉腋に散房花序をつけ、花被片が強く反りかえる。
                花糸にも紫色の斑点がある。
  セトウチホトトギス    :花被片は水平に開き、下部に黄色の斑点がある。また花糸に紫色の斑点がある。
  タマガワホトトギス    :花全体が黄色で、花被片の内側に紫褐色の斑点がある。


主写真撮影日:2013-09-13   撮影地:東京都青梅市 御岳山
撮影者:MOMO