イヌビエ

学名: Echinochloa crus-galli  

イヌビエ(犬稗) イネ科ヒエ属

本州・四国・九州・沖縄の、河川敷・道端・側溝・草地などいたるところに生育する1年草。

丈は、60-120cm。茎は基部近くから分枝する。基部はやや赤味を帯びる。葉は長さ20-50cm、幅4-15mm、葉舌はない。花序は茎の頂部につき、長さ10-25cm、淡緑色または紫褐色の小穂を斜上する花序枝に隙間無く付け、ときに先が垂れる。小穂は長さ3-4mm、2小花からなり、下方の小花は退化して護頴(第3頴)のみとなり、上方の小花は両性小花で、雄蕊3個、雌蕊1個を包む。小穂は卵形で剛毛があり、ときに直立する長い芒があり、第1苞頴は小さく、小穂の1/3以下で鈍頭。
花期は8-10月。

※ 名は、食用にならないヒエという意味から。
 [近縁種]
  ケイヌビエ  :芒の特に長いものだが、芒の長さの変異には連続性があり、生態もイヌビエと変わりなく、
          同種とする見方もある。
  ヒメイヌビエ :乾燥した草地などに生育し、イヌビエよりも草体、小穂ともに小型化したもの。
          小穂は2.2-3mm、第1苞頴は小さく、鈍3角形。
  ヒメタイヌビエ:水田に生え、茎が基部から直立し、明るい緑色で、葉縁は白く肥厚する。
          小穂に長い芒はなく、第1苞頴は小さく鈍3角形。
  タイヌビエ  :水田に生え、水稲とほぼ同時期に出穂し、直立性で、葉縁は白く肥厚する。
          第1苞頴は小穂の1/2以上あって、鋭3角形。第1小花の護頴はふくらんで光沢がある。


主写真撮影日:2012-08-24   撮影地:神奈川県相模原市南区
撮影者:MOMO