カワラナデシコ

学名:Dianthus superbus var. longicalycinus  

カワラナデシコ(河原撫子)[別名:ナデシコ、ヤマトナデシコ] ナデシコ科ナデシコ属

本州・四国・九州の山野の日照の良い草原や河原などに生育する多年草。

丈は30-80cm。茎は叢生して直立し、上部で分枝する。葉は対生し、葉柄はなく、長さ3-9cmの線形~披針形、先は尖り、基部は節を抱き、2個の葉が合着する。葉の両面や縁に微細な粒状突起がある。花は茎頂に疎らに数個、上向きに咲く。花は淡紅紫色、径は4-5cm。花弁は5個、舷部の先約1/2ほどが糸状に細裂し、基部に毛がある。萼筒は、長さ3-4cmと長い。苞は3-4対。雄蕊は10個、花冠ののど部とほぼ同じ高さ。雌しべ1個、花柱は2個で、長さ約cm、線形。子房の下に柄があり、花托から離れる。
花期は7-10月。
果実は蒴果で長さ2.5-3cm、直径約2mmの狭い円筒形、萼筒に包まれ、熟すと先が4裂する。種子は長さ2-2.5mm。

※ 名は、古い時代には、単に「なでしこ」と呼ばれ「なでるようにして大切にあつかう子ども」の意味であるというのが一般的。
 [近縁種]
   エゾカワラナデシコ:萼筒が2-3cmとやや短く、苞は2対で、十字に対生する。
   タカネナデシコ  :エゾカワラナデシコの高山型の変種。茎や葉が白粉を帯び、花色が濃い。
             花弁の先が細裂し、基部に紫褐色の毛が生える。
   ハマナデシコ   :海岸に生育する。葉幅が広く卵形または長楕円形で長さ4-8cm。
             花弁は倒卵形先に細い歯牙がある。別名はフジナデシコ。
   シナノナデシコ  :山地の河原や深山の高原に生育する。
             葉は線状倒披針形で長さ4-6cm、幅3-8mm。
             花は爪部が長く、先端に細かい歯牙があり、濃色の斑点が数個ある。
             別名はミヤマナデシコ。


主写真撮影日:2016-08-07   撮影地:長野県東御市 池の平湿原
撮影者:MOMO