ノコンギク

学名:Aster ovatus var. microcephalus  

ノコンギク(野紺菊) キク科シオン属

本州・四国・九州の日照の良い山野・道端・畦・河川敷などに生育する多年草。

丈は50-100cm。地下茎が横に広がって増える。茎は叢生し、上向きの毛が生え、よく分枝する。葉は両面に短毛が密生して、ざらつく。葉の形や鋸歯は変化が多い。典型的な茎葉は長さ6-12cmの卵状長楕円形~長楕円形、鋸歯の前側が中軸に対して直角に近くなり、鋸歯の先が鈍いことが多いが、鋭鋸歯となる場合や茎の上部の葉が全縁となることも多い。頭花は散房状につき、径約2.5cm。舌状花は淡青紫色。白に近いことも多いが、蕾のときには淡青紫色。花柱の先は2分岐し、扁平、先端が三角形、内側に向かい合って曲がる。雄しべ5個は合着して筒状になり、下部は鈍形。冠毛は長く、花の間から見え、花後は白髪の頭花になる。総苞は長さ約5mm。総苞片は4列につき、縁が帯紫色、白色の短毛が縁にある。
花期は8-11月。
果実は痩果で、痩果は長さ2.2-2.7mm、短毛がある。冠毛は長さ4-5mm。

※ 名は、園芸種のコンギクに対し、ノコンギクは野生のコンギクという意。
 学名は、YListではAster microcephalus var. ovatusとなっているが、The Plant ListではAster ovatus var. microcephalusが有効名で、Aster microcephalus var. ovatusはシノニムの扱いとなったため、変更した。(2017/11/17)
 [近縁種]
  ヨメナ    :中部地方以西に分布、長さ約0.5mmのごく短い冠毛がある。痩果は長さ3-4mmの長卵形、
          剛毛が多い。
          葉がやや厚く、縁の鋸歯もやや浅い。
  カントウヨメナ:関東地方以北及び近畿地方に分布し、冠毛は長さ約0.25mm。痩果は長さ2-3mmの長卵形、
          稜に腺毛がある。
  ヤマジノギク :上部の葉は線形。根生葉は花期には枯れる。
  


主写真撮影日:2014-08-26   撮影地:長野県松本市 上高地
撮影者:MOMO